□これまでの歩みを振り返っていただけますか?
DJ OASIS(以下 O):きっかけはジブラがDJセットを持っていたからかな。それで興味を持ったんだ。ラップは聴いていたけど、DJに関してはヒデ(ジブラ)にいろいろ聞いたから。15か16の頃だね。
□ジブラさんとは、いつ頃から?
O:小学校から。中学は合わない時期もあったんだけど、高校に入ってからまた遊びだした感じで。
□音楽以外の共通点もあったんですか?
O:でも、音楽の接点が一番多かったかな。まあ、いろいろ遊んだけどね。ヒデは16くらいから六本木で廻してたんだ。渋Jでもやっていたんだけど、辞めるから、そのあとやんない?っていうのが17の終わりくらい。
□OASISさんがDJで、ジブラさんがMCという役割が明確になったのは?
O:ヒデが前にいってたのは、俺をみてラッパーになろうと思ったからだって。
□その理由は何だったと思います。
O:なんだろうね。ちょっとはいけてたんじゃないかな。DJプレイも練習も一番やってたときだから。寝てるか、練習してるか、ゲームしてるかみたいな。
□K-DUB SHINEさんはもっと後になってから?
O:23ぐらいかな。アメリカに住んでるやつで、日本語でかならやれるやつがいるんだよっていわれてさ。とりあえずヒデの紹介で、3人でグループ作ってみないかって。そういうことも頭にあって、コッタ君(K-DUB SHINE)と会ったんだ。
□第一印象はどうでした?
O:スタジオであったんだけど、いきなりフリースタイルをかまされてさ。おお、ラッパーだ、っておもった。
□その後のキングギドラの猛攻については説明不要だと思いますが、OASISさん個人としてはアルバムを仕上げる段階になって一線を退かれてますよね。
O:そのころの二人にはいろいろ迷惑をかけたんだ。レコーディングの時はちょっとだけスタジオに入ったんだけど。だからキングギドラの作品がでる前から「現在時刻」でトラックを作るまでは音楽的な活動はなにもなかったんだよね。
□本格的な復帰を決心したのはやはりK-DUB SHINEさんの現在時刻がきっかけですか?
O:そうだね。そこでトラックを提供するって言うのが大きかったかな。
□そしてソロ名義のシングルを経て今作にいたるわけですよね。
O:シングルの反応もよかったからね。ただ俺の中には、次にKGをやるまでにアルバム一枚は出しとかなきゃだめでしょう、っていうのがあったから。
□その「東京砂漠」ですが、人選のおもしろさもさることながら、参加してるラッパーがオリジナルにはない異様なのりを見せてませんか?
O:そこが聴き所でしょう。俺のトラックに対して各ラッパーがどうやってくれるのか。たとえばオリジナルのグループよりもそのラッパーのいいところを引き出せれば俺の勝ちだしね。シロー君に関してもライムスターのテンションに負けてないと思うから。
□確かに真正面からばっさりってかんじですよね。ところで「社会の窓」っていうテーマはシローさんの方から?
O:そう。オアシスとやるのなら、もっと毒づいたのをやりたいって。本当はこういうのも好きなんだよ。
□パート1の方はお蔵入り?
O:今のところはね。でもそのうち出すよ。このアルバムのあとくらいに。パート1もシロー君に渡すってことを考えて作ったんだ。その感触を残しつつ、「社会の窓」は俺がシロー君の方によっていった、そんな感じかな。
□キッチンスタジアムでは三善さんとウヂさんという顔合わせが実現してますが。
O:キャラのこゆいというか、男臭いところをぶつけてみました。でもスキルはちゃんと持っているという。
□売り出し中のNITROからはDABOとS-WORDがフィーチャーされて。O:俺らより若い世代で一番いけてるのがDABOじゃないかな、っていうことになって。そのDABOがS-WORDをつれてきたんだ。バックギャモンのフォンコールもそうなんだけど、若い世代のリスナーにも伝えたいからね。
□ストーリーものとしては、「スター誕生」や「禁じられた遊び」に近いものですよね、フォンコールは。
O:ギャルネタで、携帯電話が絡んでて・・・。トピックというか、やろうとしていることがおもしろいよね。向こうも今までにないものを見せてくれたし。
□「21」も秀逸ですよ。T.A.K.というラッパーの旨みががっちり引き出されていて。
O:すごいラッパーだからね、あの人は。トラックに関しては21が一番好きかな。
□プロデュース的な面も含めて、あえて今作から一曲挙げるなら?
O:うーん、「神髄2001」、今はこれかな。今現在俺が行き着いたのはここって言う感じ。
□このトラックをガリヤに託した理由は?
O:ガリヤは作品も多いし、わらわかしてもくれるんだけど、なんかラフで俺の好きなラッパーのイメージなんだよね。全体の流れで重めの雰囲気の曲がほしかったんで、だからガリヤかなって。
□そして「ハルマゲドン」。ギドラでやる、というのはいつ頃から決めていたんですか?
O:去年の5月くらいかな。事務所でコッタ君にトラックを聞かせていたらたまたまその中にこの曲があったんだ。そしたら「これKGでやる」って言い出して。それから3人でやろう、っていうのがずっとあった。
□同じグループとはいえ、リリックやフロウの面で両氏と肩を並べるというのはかなりのプレッシャーっだったのでは?
O:ある程度完成されたものを作らなくちゃいけないって言うのはあったね。なるべく同じラインに行くようにしなくちゃ、みたいな。
□ラップを作り始めてからトラックの作り方は変わりましたか?
O:ちょっとはあるかな。ビート感とかね。言葉でちゃんと説明できない部分で違ってきてると思う。
□気になるKGの復活ですが。
O:うーん、まあ遠くはないと思う。あと2001年はKGってことで。おれがやるのは。
□KGのアルバムでも積極的にラップしてほしいと思いますが。
O:ここまではやるつもりはないね。
□なぜですか?
O:あの二人がいるし、それがKGだと思うから。