中村道生(以下N)「ZEEBRAに来てもらいました。久しぶりっす。お元気でしたか?」
ZEEBRA「元気です」
N「マキシマムに来ない間に、映画も出来てね?」
ZEEBRA「ああ〜。そういうのもやってるみたい」
N「確か、観てから判断してって言って気がするんだけど?」
ZEEBRA「そうですね(笑)」
N「やっぱり、やったからには自信があるでしょ?」
ZEEBRA「う〜ん、面白かったですね。自信っていうか、俺に出来ることってどの辺かわかんないし。まぁ、もともと役者じゃないんでね? 他の俳優さんと比べるわけには、いかないじゃないですか?」
N「あれは監督から、壊れた感じで出てって言われるわけですか?」
ZEEBRA「今回の映画はね、俺自身がZEEBRA役なんですよ」
N「ほうほうほう」
ZEEBRA「だから、けっこう素といえば素で。台本のセリフなんかも、<あ、これは俺的にはちょっと違いますね>って変えさせてもらったりとか」
N「ああ、なるほどね。でも、これから先も、ちょっとこれ(役者)面白いと思ってるわけでしょ?」
ZEEBRA「面白いと思ってますね(笑)」
N「でしょ? 今回の作品、「BABY GIRL/城南ハスラー2 feat.DABO,UZI,G.K.MARYAN」(両A面シングル)とありますけど、ビデオ・クリップとかリリックを見せてもらったりすると、ちゃんとそれが生かされたものになってる気がするので」
ZEEBRA「ああ〜、そうだと嬉しいですね(笑)」
N「あ、そうだ、ちょうど[ビー・ボーイ・パーク]も終わったばかりなんで、その報告もしてもらいたいんですけど、ただ主張するっていうだけじゃなく、イベント全体の存在が増してきましたね?」
ZEEBRA「そうですね。<今年の夏行きたいイベントは?>みたいなので、それこそ<FUJIROCK、FUJI ROCK>とかいったようなところでも、けっこう<ビー・ボーイ・パーク>って言ってた子も多かったらしくて。実際、あの最後のライブとかタダじゃないですか? だからもう、す〜ごいお客さんがいっぱいで」
N「いわゆる最初のところですよね? バトルだったりとか」
ZEEBRA「うん、MCバトルとか」
N「それで、面白くて目を付けた人とかは?」
ZEEBRA「っていうか、MCバトルの日に、けっこうデモ・テープを貰ったんですよ。そのレベルがヤバくて。かなり(レベル)高くて、ちょっと何が出来ないかなと思って」
N「なるほどね。ZEEBRAは、マイクを持ってもう何年になるの?」
ZEEBRA「俺は、17の時なんで、13年ですね」
N「うわぁ。最初の、そういう姿を見るのも、また良い感じですよね?」
ZEEBRA「楽しいですよ。こういう感じだったなぁ〜って(笑)。ほんとに17歳ぐらいの子が、今回バリバリなんで。今回のMCバトルは高校生の子も出てたらしいし、14歳とかも・・・」
N「14歳!? もう出てくるのね〜。FUTURE SHOCKも、もう老舗レーベルとか呼ばれるようになってたりしてね(笑)?」
ZEEBRA「あはは。そうですね。今はヒップホップのレーベルも、ちゃんとビジネスとして回るようになってきたから、いろいろ出来てきてると思う。そういう意味じゃ、老舗なのかもしれないですけどね」
N「そうですね。その活動の中で、何か1つの活動がじゃなくて、全部まとめてZEEBRAなんだろうなって思います」
ZEEBRA「はい」
N「その映画の話も、分けて考えてるわけじゃないでしょ?」
ZEEBRA「うん。全部まとまってますね。例えば、最近その映画のインタビューとかで話してて、なんとなく自分で考えがまとまったこととしては、俺が最初にヒップホップにハマった時っていうのが、ブレイク・ダンスとか、ビート・ストリートとか、そういったヒップホップ映画を観てなんですよね。で、その時に、[ブレイキー]の中にはアイスティーが出てきて、ラップもするけど小芝居もするんですよね。それを観てたから、そんなもんじゃないかなって自分でも刷り込まれてたというか」
N「うんうん」
ZEEBRA「だから、その辺までは全体的に1つのものですね。PVだってあるわけだし」
N「確かにね。当たり前というか、表現方法としては必ず出てくるものでもあるし」
ZEEBRA「うんうん」
N「今回もそうですけど、DVDで作品を出すことも、今から当たり前になってきますよね?」
ZEEBRA「そうですね。今回DVDが出来て嬉しかったのは、クリック出来たりするじゃないですか? そういう感覚とかも楽しいし(笑)」
N「僕は傍から見てて、時代としては主張の時代は過ぎてるでしょ? すでに自分のことを言わなくちゃいけないとか、ヒップホップ・シーンのことを言わなくちゃいけないというところから、間違いなくステージは上がってる」
ZEEBRA「うん、そうですね」
N「それからすると、ZEEBRAは最初にそのステージに上ってる気がしますね」
ZEEBRA「うん。俺としては、今回の曲、とくに「BABY GIRL」のほうは、単純に1ラッパーとして、1アーティストとして、伝えたいポジティヴなメッセージなんで」
N「表現法としては、架空の世界だったり、創作の世界にいってもね?」
ZEEBRA「ああ、面白そうですね」
N「もういってるじゃないですか?」
ZEEBRA「あはははは」
N「でも、その中でデレデレになってるところとか、ちゃんと結末つけるところとか、出てきましたねぇ?」
ZEEBRA「もともとストーリーものが好きなんですよ。「チルドレンズ・ストーリー」も、もともとはツリー・クイックの歌で、それ自体がすごい面白かったから。ヒップホップのラップのストーリー性? 他のものだと、なかなかそこまで描写出来ないじゃないですか? 言葉数も少ないし」
N「さて、次の話を聞きたくて聞きたくて仕方ないんですけど」
ZEEBRA「はい」
N「ま、このあと渋谷で舞台挨拶をしたり?」
ZEEBRA「そうなんですよ。舞台挨拶って、いったい何をすれば良いんですかね(苦笑)?」
N「でも、ちょっと嬉しいんじゃないですか(笑)?」
ZEEBRA「う〜ん・・・照れくさいですね。やっぱり、さすがに。ラップのスキルがどうの、じゃないじゃないですか? ラップしてるぶんには、俺は自分のスキルに自信があるから、何も恥ずかしくないんだけど、役者としてはまだまだ駆け出しなんでね(苦笑)」
N「そこへ出て表現していくという覚悟は、バリバリついてるの?」
ZEEBRA「そうですね。いろいろやれることは、やりたいなと思ってますね」
N「気になるのは、そうなるとライブやらなくなるんじゃないかとかさ?」
ZEEBRA「そういうのは、ぜんぜん無いですよ」
N「具体的に何か、(次の映画の)話があったりするんですか?」
ZEEBRA「そうですね、今ちょっと1個、来年に・・・」
N「映画って、今撮ってるものが公開になるまでに、ちょっとタイム・ラグがあったりしてね?」
ZEEBRA「そうですね」
N「それが音楽と違うでしょ?」
ZEEBRA「だから、恥ずかしい感じですね。身を任せてる感じで」
N「どうなるんですかね?」
ZEEBRA「観てもらって、俺の良い部分が出てれば良いかなって」
N「今は身を任せる感じ?」
ZEEBRA「ほんとにそうですね」
N「ちょっと意外ですけど」
ZEEBRA「次のが出来れば、そこでいろいろ試してみれるし、それまでにいろいろなことをやってみようと出来るじゃないですか? ま、そういうので、なんか出来ればなと」
N「じゃ、未来の話は、見守らせていただきます(笑)」
ZEEBRA「はい」
N「FUTURE SHOCKとして、イベントとかライブをやるんですよね?」
ZEEBRA「うん、9月8日に渋谷ON AIR EAST。これね、渋谷で大きなクラブ・サミットがあるんですけど、その中の一貫として、俺とUZIとWORDSWINGAZのライブ。あと大宮司選手(正道会館)の試合なんかもあったりして」
N「はいはいはい」
ZEEBRA「あと、FUTURE SHOCKの洋服屋(FUTURE SHOCK SHOWROOM)がオープンしまして、いわゆるジャパニーズ・ヒップホップ・ウェアー・ブランドのみの専門店なんですけど、そこ関係のファッション・ショーをやろうと思ってて」
N「へぇ〜。幅広いですね?」
ZEEBRA「いろいろやってますね」
N「それは凄いな。実際、ZEEBRAとしては、どう関わってるんですか?」
ZEEBRA「いや、その3個のアイデアを出したのは俺なんです」
N「なるほど。いわゆる総帥ね(笑)?」
ZEEBRA「え? まぁ、いつもアイデア出すだけで(苦笑)」
N「地方に向かって行こうというのは?」
ZEEBRA「うん、今後KING GIDDRAのリユニオンを・・・」
N「あ、そうだ、その話も聞かなくちゃ!」
ZEEBRA「そうなんですよ。もう、いろいろ録り始める段階に来てるんですけど」
N「はいはい」
ZEEBRA「それでツアーなんかも、しようと思ってるし」
N「なるほど。今年の後半はそっち?」
ZEEBRA「そうすね。来年の春ぐらいまでは・・・」
N「そっちにいって、また映画があったりして?」
ZEEBRA「そうすね」
N「忙しいですねぇ〜」
ZEEBRA「いろいろやってます」
N「次、いつ出てもらいましょうかね(笑)?」
ZEEBRA「ええっと、いつでも良いですよ? 明日とか(笑)」
N「KING GIDDRAのほうは、どうなりそうですか?」
ZEEBRA「KING GIDDRAですかぁ・・・? ど〜んな感じかなぁ?」
N「リユニオンって言ってもさ、ZEEBRAのことを先に知ってる人のほうが、たぶん世の中には多いでしょ?」
ZEEBRA「はいはいはい」
N「KING GIDDRAとは、どういうものだったんですか? っていうところですよね」
ZEEBRA「そうですよね。やっぱり、グループと個人ってすごい違うと思うんですよ。俺やっぱり、個人は自分個人を表す感じだけど、グループの時はそのグループを表す感じだから、ある意味、削ぎ落とす部分は削ぎ落として、よりソリッドな感じなんじゃないかな」
N「もともとそのグループというのは、何から発生したものなんですか?」
ZEEBRA「もともと曲作る時に考えてたことは、日本の音楽シーンをどうすれば良いかとか、ヒップホップ・シーンをどうすれば良いかとかだったんですけど、逆に外から言ってた意見だったんで、たぶん今回やるやつは、俺も、K-DUB(要確認)も、オアシスも、中にどっしり腰を据えたうえで、今度それをどこに持っていくか、どうすべきか? 今広がってる部分、言いたいことも増えてるんで、そんなところじゃないですか?」
N「今、リユニオンをして作品を作っていく段階で言うと、どのくらいのところにいるんですか?」
ZEEBRA「俺らは、会って単純にパッと曲を作るというよりも、バイヴスも大事なんで、けっこう最近は毎日のように電話を掛け合ってたり」
N「へぇ〜。その日常生活で、そうやって曲が出来ていくのが、めちゃくちゃ興味があるところなんですけどね?」
ZEEBRA「みんなでいろいろな人のPV観ながら、<これは何だろうねぇ〜>とか言いながら(笑)」
N「そういうの(笑)? ナナメに見ながらやる時もあるし?」
ZEEBRA「もちろん。でも、<これ良いよねぇ〜>とかね。ふつうの奴がナナメに見るものを、みんなで手を叩いて」
N「それはふつうの作業なんだ?」
ZEEBRA「いつもやってます。俺最近、PVをエア・チェックするのが趣味で(笑)」
N「あはははは」
ZEEBRA「もう今ね、和モノのヒップホップとR&Bとレゲエをひたすらテープに録るっていう。ほとんど録ってますね」
N「ははは。では、舞台挨拶も頑張っていただいて。いろいろな方面、応援してます」
ZEEBRA「よろしくお願いします」
N「あんまり帽子取った姿とか、ステージ上では見たことなかったりさ?」
ZEEBRA「べつに取ってもいいんですけね(と帽子を取る)」
N「サングラスを外した姿も、そんなに見たことがなかったり」
ZEEBRA「はいはいはい」
N「それを、ほんとに丸裸になりましたね(笑)?」
ZEEBRA「楽しんでもらえればと思ってます(笑)」
N「ZEEBRA応援していきたいと思います」
ZEEBRA「ういっす」