MasterkeyとDJ Yukijirushi、ニューヨーク時代から共に活動している強者二人がタッグを組んだレーベル、ライフ・エンタテインメントから、シングルに続きまずは本人のメガトン級アルバムの登場だ。本作やレーベルの今後についてインタビュー。
「スタートしたのは1年半前、結構時間掛かってるけど、自分のタイミングでやりたいし、今やれば売れるよ、とかそういう人もいたけど、結局一番嫌だったのは、出したは出したけど、″え、出てたの?″みたいな? だから、時間は掛かったけど、自分達の自分達なりに予定したものは、予定通り出来たんで、いいかな、と」
金曜日の夜といえば、渋谷ハーレム、Masterkeyの "Daddy's House"。…そこで、楽しい思い出、エキサイティングな思い出、恥ずかしいエピソードが満載されているのはみなさん御存知の通りでしょ。そして、そのMasterkeyが自らのLife Entertainmentを立ち上げ、Natural Born Hip Hopper(資料より…しかし、納得)自らのリーダー・アルバムを作り上げたということは、いくら賞賛してもしきれない事実。優れたDJは優れたプロデューサーであるとは限らない。
2つの仕事は、まったく違うもの。ここでMasterkeyが新しい領域に踏み入れ、その偉大なる(と後で振り返られるであろう)第一歩を踏み出したのは、本当に素晴らしいこと。曲作りは最初やはり容易ではなかったと彼は話してくれた。
「"One Life(Won Light)" 、ファースト・シングルってことで、Dev Largeをフィーチャリング、ってところで出来なくなっちゃって(笑)。スランプになっちゃって(笑)。けど、結局それから、″掴んだ!″ってなって。"One Life" が出来てから、他のもいい感じで出来るようになってきて、越えられたっていうのかな。他の曲も "One Life" の前にあったのも気に入ってなかったってわけじゃなくて、アイデアを変えながら(作っていった)。いや、これが最初のシングルになる。これが最初の自分の作品になる、挨拶代わりだって考えたとき、やっぱり納得しないものは絶対出せないってうのがあって」
●実際の曲作りのプロセスはどんな感じなのだろうか?
「俺が作ってますよ。 "Friday Night" はYukijirushiと共作。あと "Party All Nite" はDJ Kaoriと作って彼女が歌ってます。みんな驚いてますけど、結構隠し球で(笑)。ニューヨーク・レコーディングで。あとゲストは "Meaning Of Life" でラップしているHi Timezは急遽ニューヨークから来日してくれて、今横にいるけど(笑)、Masa(と、Hi Timezを紹介してくれる)。Life Entertainmentとしても日本でも彼らともせっかくなんで何かやっていければ、と思っています」
●ニューヨークのヒップホップの動きはMasterkeyにとって凄く重要なことですか?
「大きな意味では重要ですね。イチローと俺を比べるのもおこがましいんだけど、だけどフィールド・オブ・ドリームっていうじゃないですか? イチローはそういう本場をアメリカで見ているわけでしょう? ヒップホップっていったら、ニューヨークじゃないですか? どういう動きがあるのかなって…色々な国でもそういう動きはあると思いますけど、やっぱりどこで生まれたのかっていうと、ニューヨーク。野球と一緒にアメリカ。そういうこともあって、アメリカのことは気にしてます。音楽は流行だったりもするから、また流れも変わったりするだろうけど、それを見ていたい。そういう時に、いいときだけ戻って来ようとする人もいるだろうけど、俺は、そこで、ずっとそこを見ていたいんですよ。やっぱり、そこで一番影響受けたしね」
豪華な参加陣についてはここでは触れる余裕がない。是非チェックしてほしいし、アルバムを聞いて、Masterkeyの親方ぶり、そのスケールの大きさに瞠目してほしい(僕は「Rumble」のMasterの語りが好きです)。