事件簿

8.KREVA三連覇

なにを三連覇したかっつうと、B-BOY PARKっていう代々木公園で毎年夏に行われるイベントの フリースタイルバトルで、クレヴァが三回優勝したってこと。確か、1999年と2000年と2001年だったと思う。 違ってたらごめんね。確か、2001年はモトイと決勝だった気が・・・はい。モトイ滅茶苦茶好きなんです。 文化系なものでw
だってクレヴァうますぎるもん。よく「アイツは仕込んでるから卑怯」なんて言う奴いるけどさ、 仕込もうと思って仕込めるようなもんじゃないよ。一回、どんなやつでもディスれそうなネタをいくつか 書いてみ?それをいつ、どう使うのか。ネタが被ったらどうするのか。 バトル中に相手をディすれそうなネタを発見したらどうするのか。仕込み? できるもんならやってみれ。やれるだけやりゃあいいさ。でも本番で仕込みノートは持ってこれねえぞw
要するに何が言いたいのかっていうと、 あの場と雰囲気って、台本用意しててもそれを生かせるような状況じゃない。 滑舌よく喋らないと、言葉を次から次に繰り出さないと、負け。 仕込めるだけ仕込んだらいいよ。そんなもん、緊張して一割も出せないからw それに第一、仕込んだからといって勝てるのか?って問題もある。
最後に、なんで事件扱いしたのかというと、 フリースタイルバトルは文化的に価値のある行為で、 B-BOY PARKでのそれは、その文化を広げるという点ではかなり大きなイベントだと思ったから。 即興性って、音楽の世界ではジャズみたいにどこかでひっそりやってるものくらいからしか感じられないよね。
その点ラップは分かりやすいし、何より社会を歌に出来る手段としての存在は大きいから、 もっと流行ったら面白いことになるんじゃないかな、と。 メディアは未だにB-BOYをステレオタイプな扱いにしたがってるみたいで、 周りの連中もそう。色眼鏡で見てくんのね。「yo!yo!だろ?w」みたいに。 文化が浅いから、そういう馬鹿な偏見もある。ロック=不良みたいなね。 時間が解決するのかもしれないけど、もう少し自分の知らない文化に対して 寛容な姿勢も持つべきじゃないか、と。

7.キックザカンクルー台頭

前回の続きです。 実は当時の状況をいまいちはっきりと覚えてないのでやや信憑性に欠けて申し訳ないのですが、 2001年春リリースのスーパーオリジナルや夏に出たイツナロウバあたりで、かなり知名度を上げてきます。 ほんとにじわりじわり、といったかんじで上がってきました。
何故有名になってきたか、という点は難しいところです。 そもそもこういった「流行」というものは、「流行るから流行る」というのが大きく、 最初の起爆剤とでも言いましょうか、そういう流行るためのきっかけというものがすごく重要になってきます。 レコ会社がプッシュしまくるとか、有線で支持を得る、とか。
話がずれてきたので元に戻しますが、とにかく彼らはこの二枚でかなり有名になりましたが、 それと同時により「日本語ラップの歌謡曲化」を進めました。 耳になじみやすいサビや、彼らの身なりのポップさにも一因があると見られます。 その後のクリスマス・イブ RAPでかなりファンとアンチを同時に増やしたのが笑えるところです(笑)

6.リップスライム台頭

まあ、事件ってほどのもんじゃないのですが・・ それぞれ2001年の3月、6月にリリースされたステッパーズ・ディライト・雑念エンタテインメント あたりで、リップスライムという皆さんご存じの彼らが音楽誌やテレビをにぎわします。 DA以来の波です。それも、かなり安定した。 このあたりから、大衆、とりわけ若年層にとって、いわゆる「日本語ラップ」 というものへの抵抗がDA時よりもさらに弱まったと思われます。
そうです。もはや日本語ラップと所謂ポップスとの垣根が低くなりすぎて、 誰もが自由に行き来できるほどになってしまったのです。 これは日本語ラップのポップス化です。 さんぴん組の差別化路線とは逆の、いわば融合路線。 幸か不幸か、日本語ラップリスナーの数は増加しました。
そのせいか、このあたりから 古参のリスナーやDAで入ってきていろいろ聴くようになったリスナーから リップ=色もの(ハーコーではない、ホンモノではない、というようなニュアンスです) という認識がされはじめ、リップ擁護派対否定派という今に至る流れが始まりました。 これにキックが加わってますますややこしくなるのですが 続きは次の回で。

5.狩人の唄とカモ狩り

オジロとジブラの「狩人の唄」という曲(狩人の唄 / 絶望の市場という12インチに収録)にて
ビビって外せねぇならばゴーグル
諸共叩き割る闇へ葬る
(DLの身につけているあの丸いゴーグルかと思われます)
DOPEなしONE HITのみで…
(人間発電所の印象があまりに強かったからと思われます)
この曲でディスられたと勘違いしたデヴラージが 97年、DJ HAZIME・スイケンらとカモ狩りをリリース。 ディスり返しました。 俗に言うアンサーソングです。 問題の歌詞はこちらです。
所詮どの道草食動物 肉食動物に食われるのがルール
DLの別名「大峠雷音(ライオン)」という肉食動物と シマウマという草食動物の隠喩かと思われます。
しかしその後、きちんと和解し、ライムダーツにはSKITとして 「∞ ∞ ∞ ∞[skit]」とタイトル、リリックを変更し収録されました。 後のカモ狩りREMIXでは、シマウマ・草食動物等のリリックが修正されてリリースされました。
で、当時のジブラ氏のコメント
「俺は一度仲良くなった人と、仲悪くなる事は無い。 あれは、コンちゃん(DEV LARGEの事)の勘違いで… ビーフは無いよ。」
このような内容とのこと。 その後のプレイヤーズデライトでの共演により完全に事件は解決したかと思われます。 (special thanks to tmyさん ,ROCCさん ,ウルトラCQさん)

4.DA台頭

事件と言うほどでもないのだが、ご存じドラゴンアッシュが 1999年の3月3日に「Let yourself go,Let myself go」、 同年年の5月1日に「I LOVE HIP HOP」「Grateful Days」 と3枚を立て続けにリリース。
そして5月某日、某ヒットチャート番組にてなんとこれら3枚が同時ランクインするという非常事態が起きた。 まあそのまえから雑誌や口コミで評判はあったが。 とにかく世論では「かなりかっこいい日本語のラップがある」という感じだった。 テレビや雑誌でも引っ張りだこ。
Let yourself go,Let myself go以降、なぜかヒップホップ色が急激に強くなった彼ら。 I LOVE HIP HOPが某洋楽を「無断」サンプリング(というより拝借)して非難を受けるもお構いなし。 ZEEBRAという大御所をフィーチャリング。しかし当時は「ジブラ<<フルケン」という図式が一般的だった。 そして完全に不動の地位を築いた。
アルバムも50万枚以上の(違ってたらすんません)売り上げ。 日本のヒップホップ(と呼んでいいのかどうかは疑問だが)ではおそらく最大の売り上げだろう。 イーストエンドもいるが・・何分ソースがないので。
彼らは日本語のラップの持つ「お笑い(だよねーのような)」のイメージを完全に払拭した。 この功績は確かに大きい。しかし面白くないのは雷やUBGをはじめとする俗に言うさんぴん組だろう。 しかし彼らがいないとその雷やUBGを知るきっかけもなくなる可能性があるわけで・・・ 賛否両論あるだろうが、彼らの残した功績は大きい。これは紛れもない事実だ。 大切なのは昔からシーンを築いた人間に対してのリスペクトということか。

3.友情BBS閉鎖騒動

2000年のおわりか2001年のはじめくらいだったと思うんですが、 JBBSかなんかので「サグ(正式にはTHUG)板」というのがありました。(現在閉鎖中) 2chみたいなスレッド形式でやたらとアーティストをdisするスレが目立ってました。 実は詳しく覚えてないんですが、そのときそこのユーザロックスレで 「友情BBSを荒そう!」 みたいな動きがあり、実行に移されました。
ものすごい数のユーザロック中傷記事を書き込み書き込み。 そしてあっけなく閉鎖されました。 サグ板には本人の書き込みらしきもんがありましたがあれって今思えば釣りっぽいですね・・・

2.キングギドラ自主回収騒動

96年の「影」以降音源をリリースしてなかった(ハルマゲドン除く)キングギドラが 2002年4月10日、「UNSTOPPABLE 」「F.F.B」の2枚のシングルを同時リリースしました。
UNSTOPPABLEのB面「ドライブバイ」のHOOK
ニセもん野郎にホモ野郎
一発で仕止める言葉のドライブバイ
こいつやってもいいか
奴の命奪ってもいいか
で同性愛者の方々の怒りを買い、
F.F.Bの
マジあいつぁ止めた方が絶対いい
バリューパックオマケはH.I.V
でエイズ患者から大顰蹙を買い、回収されました。(BBS参照)
googleで キングギドラ UNSTOPPABLE 回収 とググればたくさんでてきます。
なお、これによってファンが増えたか減ったかは不明です。 というのも 「差別主義者最低だな」 という見方と 「やってくれたな。さすがギドラだ」 という見方があるからです。
言葉狩りの問題はかなり難しいです。 表現の自由と被差別者に対する考慮とのバランスが非常に微妙なとこですが、 どうやら日本では後者が圧倒的に重いようです。
ホモ、HIV・・・と言いますが 本人らにはそんな差別的な意図がなかったにせよ、 傷ついた人間が少なからずいるわけです。 表現の自由は、傷つく人間がいる限りあり得ないのです。例え悪意があろうとなかろうと。 表現者はせいぜい、彼らに対して「悪意がないことを分かってほしい」 と訴えるくらいしかなさそうです。 なお、回収後、ヤフオクにはその例の2枚があふれかえってました。

1.DAパクリ疑惑

ドラゴンアッシュがサマー・トライブというシングルを2000/7/12に出しました。 この曲で、声質とフロウがジブラに酷似している、とネットを中心にDAが叩かれまくりました。 この曲より後は彼らの路線が変わってヒップホップから遠ざかっていきました。 今のところこの曲に関してDAが謝罪した、という話は聞いたことがないです。 (あったらすみません)
なお、ジブラが最初に彼らをディスった(パクリ疑惑に反応を示した)のはおそらく 2001/1/31にでたDJオアシスの東京砂漠に収録されてるハルマゲドンでしょう。 ギドラ名義の。ここで
どこの坊ちゃんか知らねえが
俺の猿真似だけならいらねえな
と言ってます。古谷一行の坊ちゃん、という意味合いでしょう。 これに対してDAは今のところ返してないようです。 (あったらすみません)
analyze

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